学生へのメッセージ
私は、国家間の諸問題を、政府だけでなく、市民社会や世論、メディアなど、幅広い立場から考えることに関心を持っています。世界はこれまで多くの紛争や対立を経験してきましたが、それらの出来事は、どれか一つの視点だけで「正しく」説明できるものではありません。どの国の立場から見るか、どのアクターに注目するかによって、異なる見方が生まれます。また、国家や社会が持つアイデンティティも、国際関係の理解に大きな影響を与えます。だからこそ、視点を自由に切り替え分析してみることが重要だと考えています。そうした作業を通じて、国際問題の複雑さや、見方が一つではないことに気づくことができます。さらに、自分の分析結果を他の人にわかりやすく伝えられるようになることも、研究を進めるうえで欠かせない点です。そのためには、マクロ的な視点(国際関係論の理論に基づき、分析対象からあえて距離を取るアプローチ)と、ミクロな視点(現場の文化的特徴やローカルな文脈をできるだけ取り入れるアプローチ)の両方を、バランスよく研究に取り入れていくことが求められると感じています。