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院生のフィールドレポート

エジプト / カイロ

報告者:

報告者:近藤文哉(コンドウ フミヤ)
    グローバル・スタディーズ研究科 地域研究専攻 博士前期課程
調査期間:2014年12月22日~2015年1月5日

多くの人で賑わうマウリド当日のフサイン・モスク(撮影:近藤文哉)

 私は2014年12月22日から2015年1月5日の間、エジプトのカイロ市でフィールドワークを行いました。調査対象は2015年1月3日(正確には2日の日没から3日の日没)に行われた、マウリドと呼ばれるイスラームの預言者ムハンマドの生誕を記念する祝祭です。マウリドは現在、ムスリム世界のほぼ全域で行われています。マウリドが行われる日(イスラーム暦第3月の12日)はイスラーム暦準拠のため、西暦でみると毎年約10日ずつずれていくのですが、西暦2015年の今年は、1年の間に二度(1月3日・12月23日)マウリドが行われる非常に珍しい年です。
 エジプトのマウリドにおいては、他地域と比べて特色ある行事が実施されます。例えば、サイイダ・ザイナブのモスク西側では、マウリド当日の1週間ほど前の調査で、アルーサと呼ばれる人形、砂糖菓子などを売る露店が多数出店していたのを確認しました。また、そのモスクを北東に1.5キロほど行ったところにあるフサインモスクは、3日の午後に実施された行進(ザッファ)の終着点であり、カイロ市のマウリドにおける中心地です。ザッファには老若男女問わず多くの人々が参加し、スーフィー教団が主体となって盛大に実施されます。
 マウリドはただ厳粛なものでは全くありません。マウリドに参加する人は、預言者の誕生を祝いながら、同時に、彼ら自身も大いにその祝祭を楽しんでいるようでした。つまり、マウリドは、「楽しさ」をも同時に備えた(むしろ場合によってはそれが核となる)祝祭であるといえます。それだけではありません。ザッファはもちろんのこと、厳かに行われると予想していた2日の夜のシャーズィリー教団によるズィクル(唱名)の集会でさえ、子供が周囲を元気に走り回る光景がみられました。先ほど述べた露店でも子供のための人形が主役であるように、現代のマウリドでは、「子供」が重要な位置を占めているということは確認しておきたいと思います。