Q1 現在のお仕事について教えてください。
博士後期退学後は、上智大学カイロ研究センター(日本学術振興会カイロ研究連絡センター内に設置)に2年間、大学共同利用機関法人人間文化研究機構地域研究センター(「イスラーム地域研究」プロジェクト上智大学拠点)に5年勤務したので、単位取得退学後も随分長く上智大のお世話になりました。
現在は東京外国語大学のアラビア語専攻で教員をしています。主専攻のアラビア語の授業に加えて、中東の民族・宗教マイノリティについての講義、ゼミを担当しています。他には学部生の短期・長期留学関連、教養外国語アラビア語関連の業務を担当しています。
Q2 大学院時代の研究テーマについて教えてください。
大学院では、エジプトに暮らすコプト正教徒の文化ナショナリズム運動について研究しました。第一次大戦後の対英独立運動では、ムスリムもコプトも同じエジプト人だとして両者の連帯が訴えられましたが、そうした思想・運動の源流を探るため、19世紀末ごろから始まったコプトの知識人による文化ナショナリズム運動を分析しました。
現在も引き続き同じテーマに取り組んでいますが、最近はコプト正教会のサブサハラのアフリカにおける宣教活動について調査を始めました。
Q3 大学院で得られたこと、いまの仕事に活かされていることなどあれば教えてください。
今では大学院生の数が減っているようですが、私が院生だった頃は地域研究専攻には大学院生が多数在籍していたので、中東地域およびそれ以外の地域を専攻とする院生と交流を持つことができました。その人脈には今でも時々助けられています。
また、上述の人間文化研究機構のプロジェクトなどをはじめとして、外部資金による研究プロジェクトが常に動いていたので、研究会が活発に行われており、そうした研究会の運営手伝いなどを通して他大の隣接分野の研究者・大学院生と交流を持てたことは貴重な経験でした。
(2023年5月掲載)