Q1 現在のお仕事について教えてください。
博士号取得後、北海道大学アイヌ・先住民研究センター等での勤務を経て、2013年度から上智大学グローバル教育センターで働いています。
同センターでは、先住民族や地理的境界に関する日本語および英語開講の全学共通科目を担当すると共に、留学や国際交流関連の業務に従事しています。
研究では、米国領の周縁地域(米国メキシコ国境地域や太平洋の島嶼部など)に居住する先住民族の歴史的体験、先住民族が主導する文化復興の取り組み、文化復興や歴史の再解釈を支える展示活動のあり方、といった事項を取り上げています。
Q2 大学院時代の研究テーマについて教えてください。
私は学部時代から、米国メキシコ国境地域のエスニシティにまつわる課題に関心を抱いてきました。
大学院では、同国境地域に居住する先住民族ヤキのうち、米国側の集団であるパスクア・ヤキ・トライブに着目して研究を行いました。米国連邦政府による上記トライブの認定プロセスや、国境地域に暮らす人々との関わりに触れながら、米国メキシコ国境地域における先住民族と国家や地域との関係性を考察しました。博士論文を基にした著書『先住民パスクア・ヤキの米国編入―越境と認定』(北海道大学出版会、2012年)は、地域研究コンソーシアムの登竜賞に選ばれました。
また、在学中には、カリフォルニア大学バークレー校で調査、研究を行う機会にも恵まれました。自身が先住民の学生と議論を交わしたり、地域の先住民コミュニティでボランティア活動を行ったりする中で、私の視野は大きく広がったと思います。
Q3 大学院で得られたこと、いまの仕事に活かされていることなどあれば教えてください。
地域研究専攻の先生方は、専門分野について緻密に指導してくださる一方で、学生の自主性や個性を尊重し、自由に研究することを応援してくれました。他の学生の姿を思い出してみても、やはりのびのびと学んでいたように思います。
奇遇にも母校の上智大学に職を得た私自身も、学生の自主性や個性を重んじながら、学びや成長を支援するよう心がけています。
(2023年5月掲載)