プロフィール
1990年代後半にトルコに留学して以来、現代トルコの国家と宗教の関係、イスラム復興運動に 注目しながら、ムスリム社会の民主化の問題について考えてきました。イスラム復興というと一般には、 過激な運動が注目される傾向にありますが、トルコは西洋の方を向きながら「自分らしさ」と現代的 発展の調和を模索する潮流が圧倒的に主流です。この点で、トルコは、法や政治状況がより宗教的な 他のムスリム諸国に対して例外的かもしれませんが、現代的な社会における中庸なムスリム政治社会が どのようなものであるのかを理解するうえで、興味深いモデルを提示していると考えています。 私たちの常識では、イスラム的な政治運動が民主主義にとって妨げであると考えがちですが、 イスラム的な論理で多様な民族や宗教の共存を模索する動きもあれば、世俗的な考えの人たちが 宗教や民族の観点で排他的な場合もあります。多様な宗教的志向や民族的アイデンティティ、 歴史観をもつ人たちが、どのようなプロセスで、どのような共存の政治文化・国家のあり方を模索して いるのか、その過程で人々のイスラムの理解はどのような役割をはたし、あるいはどのように変化して いくのかという問題に現在は特に関心をもっています。